以前の記事で紹介したSeagate ST8000DM004(SMR/瓦記録)への8TB換装、その後しばらく運用してみて気づいた症状をまとめます。うちでは6チャンネル同時タイムシフト中にコマ落ちが発生しています。同じ換装をしている方の参考になればと思い、原因を調べてみました。
症状: 6チャンネル同時タイムシフトでコマ落ちする
DBR-M2008/M3009は最大6チャンネルを同時にタイムシフト録画できますが、8TBのSMR HDDに換装した状態で6チャンネル分を同時に書き込み続けると、コマ落ちが発生しています。元の内蔵HDD(CMR)ではこの症状はありませんでした。
同じ8TB SMRでも、チャンネル数が少ないと問題が出ない
うちでは3台のDBR-M2008/M3009系を運用していますが、内訳は次の通りです。
- 1台目: 8TB SMR(ST8000DM004)に換装、6チャンネルタイムシフト → コマ落ちが発生
- 2台目: WD Purple(監視カメラ向けのCMR系)に換装 → 問題なし
- 3台目: 同じ8TB SMR(ST8000DM004)に換装、ただし2チャンネルタイムシフトのみ → 問題は出ていない
同じSMRのHDDを使っていても、チャンネル数(=同時に書き込み続けるデータ量)が少ない3台目では症状が出ていません。これは後述する「SMRは持続的な書き込み負荷に弱い」という説明と一致する結果で、単にSMRだから即アウトというわけではなく、同時録画チャンネル数が多いほど発生しやすいと考えられます。
原因: SMRの「書き込みキャッシュ枯渇」による速度低下と考えられる
SMR(瓦記録)方式のHDDは、隣接トラックを瓦のように重ねて記録密度を上げる代わりに、データを上書きする際に隣接トラックのデータも一旦キャッシュに退避してから書き戻す必要があります。このため一時的な書き込みバッファ(キャッシュ)を持っており、キャッシュに空きがある間は高速に書き込めるものの、キャッシュが埋まると急激に速度が落ちるという二段階の性能特性を持っています。
実際にST8000DM004単体での実測報告でも、初期状態ではRead 180MB/s・Write 160MB/s出ていたものが、まとまった量を書き込み続けるとWrite 50MB/s、時には0MB/sまで落ち込むケースが報告されています(参考: 価格.comクチコミ掲示板「読み書き込みの速度が著しく低下します」)。
6チャンネル同時タイムシフトは、複数の録画データを絶え間なく書き込み続ける、まさにSMRが苦手とする「持続的な書き込み負荷」そのものです。一時的な大容量コピーとは違い、タイムシフトは24時間止まらず書き込みが続くため、キャッシュが埋まりきった状態が常態化しやすく、速度低下がコマ落ちという形で表面化している可能性が高いと考えられます。2チャンネルであれば書き込み量が少なく、キャッシュ内で収まる時間が長いため、症状が出ていないという説明で辻褄が合います。
もう一つの既知の症状: システムメンテナンス後の再起動エラー
価格.comのDBR-M3009クチコミ掲示板にも、SMR方式のST8000DM004に換装した後、自動のシステムメンテナンス処理後の再起動時にエラーが発生するケースが報告されています(参考: 価格.comクチコミ掲示板「換装用HDD選び」)。対処法として報告されているのは電源の抜き差しによる再起動で、元のHDD(CMR)に戻すと発生しないとの声もあり、こちらもSMR特有の相性問題である可能性があります。
対策・まとめ
SMR方式のHDDは同容量のCMR方式に比べて安価という大きなメリットがありますが、6チャンネル同時タイムシフトのような「絶え間ない・大量の書き込み」が発生する用途では、キャッシュ枯渇による速度低下の影響を受けやすいようです。逆に2チャンネル程度の運用であれば実害が出ていないケースもあるため、同時録画するチャンネル数と相談して選ぶのが実用的な判断基準になりそうです。コマ落ちが気になる場合、CMR方式のNAS向けHDD(WD Red PlusやSeagate IronWolf、監視カメラ向けのWD Purpleなど)への交換で解消する可能性が高いです。
なお故障の兆候というわけではなく性能特性なので、急に録画が消えたり本体が起動しなくなるような話ではありません。






















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