うちのニチコン蓄電池、止まるみたいです
2026年8月、ニチコンから「トライブリッド蓄電システム 運転停止および電池モジュール交換のお願い」という通知が届きました。うちも対象でした。せっかくなので、お手紙の内容と、実際に問い合わせ窓口に電話して聞いた話をまとめておきます。
何が起きているのか(お手紙の内容)
対象は「トライブリッド蓄電システム T3シリーズ(4.9kWh、9.9kWhモデル)」。案内によると、蓄電池の一部(数邸)で本体付属の部品不具合により、最悪の場合ごく稀に発煙・発火するリスクがあることが判明したとのことです。
お手紙に書かれていた対応スケジュールはこうでした。
- 8月15日〜19日に電話で運転停止の案内
- 電話がつながらない場合、8月20日にネットワーク経由で遠隔強制停止
- 新品電池モジュールの準備ができ次第、順次交換・運転再開
- 停止期間に応じた発電補償(電気代の補填)あり
- 2026年11月中旬より、ニチコン蓄電池交換専用窓口から交換スケジュールの連絡開始
手紙だけ読むと「太陽光ごと止まる」ように読めて、うちはエアコンもエコキュートも動いてる時期にそれは正直きついなと思っていました。
電話したら、話が変わっていた
問い合わせ窓口に電話してみたところ、お手紙の案内から状況が変わっていました。担当者いわく、蓄電システムを完全に止めてしまうと太陽光の発電まで止まってしまい、電気料金への影響はもちろん、この時期にエアコンまで止めてしまうお客さんが出て熱中症のリスクが心配だ、ということで、蓄電池だけを切り離して太陽光の発電は継続させるソフトウェアを急ピッチで開発中とのことでした。
このソフトウェアは8月20日以降、順次自動で配信される予定で、正確に何月何日の何時に切り替わるかは指定できないとの説明でした。ある時突然「蓄電池は動かないが太陽光だけは発電している」という状態に切り替わる、という話です。手動で電源を切っていなくても問題なく、むしろ切らずに待っているのが正解、という案内でした。
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2026年8月22日13時時点、うちのリモコンはまだ「グリーンモード運転中」のまま。電話で聞いた通り、まだソフトウェアの切り替えは来ていないようです。
発火の実態はどのくらいなのか
気になったので発火の実際の件数も聞いてみました。担当者によると、対象ロットの出荷台数は約2万台規模で、そのうち実際に消防が出動する事態になった案件が4件発生しているとのことでした。さらに、その中でも品質面で懸念が指摘された生産ロットがあり、うちに届いている電池もそのロットに含まれていることが分かったため、今回の案内が届いた、という説明でした。
「今から何か対策できることはあるか」と聞いたところ、蓄電池内部のBMS(バッテリーマネジメントシステム)側の話であって、使用量を控えるといった利用者側でできる対策は特にない、今まで通り使ってもらって問題ない、とのことでした。室温による影響も「関係ない」との回答でした。
停電したらどうなるか、補償はどう計算されるか
停電時の挙動も聞いてみました。夜間に停電すると、蓄電池からの供給が止まっている状態のままなので、翌朝に太陽光の発電量が家庭の使用量を上回るまでは電気が復旧しない、とのことでした。
補償(電気代の補填)については、夜間に蓄電池から放電して使っていた分の電力量(kWh)をベースに、天候データと過去の使用ログから日ごとに算出し、11月以降の電池交換までの停止期間分をまとめて案内する、という説明でした。計算方法の詳細はその場では明言されませんでしたが、「太陽光が動く前提で、夜間に蓄電池が本来賄っていた分」が対象になるとのことです。
蓄電池交換の工事について
交換工事の対象は屋内に設置されている蓄電池ユニットのみで、屋外のパワーコンディショナー(太陽光の電気回路)は対象外のため継続稼働するとのことです。工事は日程調整の上で電気工事士が訪問し、所要時間はおおむね3時間程度。連絡は2026年11月中旬に改めて来る予定です。なお交換後の保証期間は設置日起点で15年のままですが、電池自体は新品になるため、実質的な劣化度(SOH)は新しい状態からのスタートになるとのことでした。
同じ通知が来た人へ
電話がつながらず遠隔停止の対象になった方、あるいは手動で停止する場合は、室内リモコン側面のスライドスイッチをOFFまで押す→「停止処理中」表示→消灯、の順で完了します。ブレーカーは切らなくてOKとのことです。問い合わせは以下へ。
- お問合せ専用窓口: 0120-478-714
- ニチコン蓄電池交換専用窓口: 0120-086-700(ニチコンからのご連絡専用)
- メール: 07sekisui-support2608@nichicon.com
【8/31追記】実測データで「8月24日に切り替わった」ことを確認
自宅で使ってる電力見える化デバイス「Nature Remo E」のデータを確認したところ、実際に8月24日を境に蓄電池の充電・放電が完全にゼロになっていました。太陽光発電・売電は変わらず稼働していて、その分買電(グリッドからの購入)がやや増えています。電話で聞いた「蓄電池だけ切り離して太陽光は動かし続けるソフトウェア」の説明通りの挙動が、実測データで確認できました。
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Nature Remo Eの月間データ。赤(蓄電池充電)とオレンジ(蓄電池放電)の線が8/24でぴたりとゼロになっている。
Nature Remo E、こういう時に地味に便利です
今回のようにメーカー側の説明が本当に反映されたのか、自分の目で確認できたのはNature Remo Eのおかげです。スマートメーターと連携して太陽光発電・売電・買電・蓄電池の充放電をリアルタイムで見える化してくれる機器で、コンセントに挿すだけで工事不要、数分でセットアップできます。太陽光・蓄電池・V2H・エコキュートまで連携できるので、うちみたいに蓄電池を導入してる家では特に威力を発揮します。
【9/2追記】オフから1週間、電力の使われ方を見てみた
蓄電池がオフになってから1週間ちょっと経ったので、Nature Remo Eのデータでオフ前後を比べてみました。1日あたりの平均値です。
- 太陽光発電: 43,790Wh → 31,780Wh
- 買電: 1,615Wh → 7,278Wh
- 売電: 28,202Wh → 23,523Wh
- 蓄電池充電・放電: どちらも完全にゼロ
太陽光発電量は天候による日ごとのブレもあるので単純比較しづらいですが、蓄電池の充放電がゼロになった分、買電が大きく増えているのははっきり見えます。
意外だったのが、増えた買電のうち夜間より昼間の方が多いことです。太陽光が動いてる昼間なのに電気を買ってるというのは直感に反しますが、太陽光の発電量と家の使用量は瞬間瞬間で細かくズレていて、そのズレを今まで蓄電池が埋めてくれていました。電池が止まった今は、そのズレがそのまま買電になっています。時間帯別に見ると、昼間(7〜23時)の買電増加が1日あたり約3,299Wh、夜間(23〜7時)が約2,375Whで、昼間の方が多い計算でした。
これって正式な「リコール」じゃないの?
ちなみに、このお知らせ自体に「リコール」という言葉は使われていません。正式には「運転停止および電池モジュール交換のお願い」という位置づけで、経済産業省のリコール情報サイトやニチコンの公式お知らせページを見ても、今回の件は(少なくとも今のところ)掲載が見当たりませんでした。
個人的な感想ですが、出荷規模数万台のうち実際に消防が出動する発煙・発火事案が複数件出ていて、無償で電池モジュールを全交換するという内容です。これはもう正式なリコールとして届け出てもおかしくない話だと思います。今は企業の自主対応という扱いですが、本来はもっとオープンな形で情報公開されるべき話ではないでしょうか。今後、正式なリコールとして公表されるのか、このまま個別案内だけで進むのか、注目していきたいと思います。
まとめ
お手紙だけを読むと「太陽光ごと止まる」ように見えて身構えましたが、電話で聞くと状況は変わっていて、ソフトウェア対応で太陽光だけは動かし続ける方向に進んでいるとのことでした。進展があればまた追記します。
【9/10追記】消火グッズ、買うか調べてみた
発煙・発火のリスクがあると聞いた話なので、一応「もし本当に火が出たら」を初めて真剣に考えてみた。
「消火器くらい家にあるし、まあ大丈夫だろ」
そう思って調べ始めたら、いきなり出鼻をくじかれた。
普通の消火器は、リチウムイオン電池の火災にはほとんど効かないらしい。一度消えたように見えても高温のままで、再発火することがあるそうだ。東京消防庁の案内を見ても、基本は「大量の水で冷やす」こと。消火器を吹きかけて終わり、という単純な話じゃなかった。
「水で冷やす……そんな悠長なことできる場面なのか、これ」
調べてるうちに、リチウムイオン電池火災に対応した専用の消火スプレーがあることを知った。消防庁の試験に合格してる製品もあるらしい。
正直、値段を見て一瞬迷った。でも冷静に考えて、今回は見送ることにした。理由はシンプルで、うちの蓄電池は今、充電も放電も完全に止まってる。お知らせにあった発煙・発火のリスクの元になってる動作自体が、今は止まってるということだ。
「今すぐ要る、ってわけじゃないか」
電池モジュール交換(11月予定)が終わって、また蓄電池が動き出すタイミングで、また考えることにしよう。
【9/28追記】停止から1ヶ月、ここまでのデータで確認
蓄電池が完全に止まった8月24日から1ヶ月ちょっと経ったので、ここまでのデータで改めて確認してみた。9月分は1日〜27日までの27日分で集計。日数を揃えて1日あたりの平均で比較すれば7月・8月とフェアに比べられる。
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Nature Remo Eの9月データ画面。蓄電池充電は0.0kWhのまま。
停止前の7月(通常運用、フル31日)と、1日あたりの平均値で比べるとこうなった。
| 項目(1日平均) | 7月(通常運用) | 8月(24日から停止) | 9月(1〜27日、停止継続中) |
| 太陽光発電 | 42.98kWh | 41.40kWh | 23.39kWh |
| 買電 | 1.53kWh | 3.22kWh | 6.82kWh |
| 売電 | 27.61kWh | 27.46kWh | 17.22kWh |
| 蓄電池充電/放電 | 6.02kWh/5.35kWh | 4.73kWh/4.04kWh | 0kWh/0kWh |
「買電、1日平均で7月の4.5倍か……」
蓄電池が完全にゼロになった分、買電が大きく増えてるのは数字上はっきりしてる。9/2追記の時点(オフから1週間)で「昼間の買電が特に増えてる」と書いたけど、期間が伸びた今回もその傾向は変わらなかった。
ただし、太陽光発電量自体も4割以上落ちてる
正直、この数字を見て「え」と思った。ニチコンの説明では蓄電池を切り離しても太陽光の発電自体は止めないという話だったので、太陽光発電量が9月だけ極端に少ないのは蓄電池のせいとは考えにくい。
「じゃあ何が原因なんだ、これ」
ヒントは8月のデータにある。8月は24日から蓄電池が停止してるのに、太陽光発電量(1日平均)は7月比でたった3.7%減(42.98kWh→41.40kWh)しか落ちてない。蓄電池が止まってた期間が丸々1週間あったのに、この程度の減り方だった。それなのに9月は太陽光の1日平均だけで前月比43.5%減(41.40kWh→23.39kWh)という桁違いの落ち込み方をしてる。
この比較から見て、9月の太陽光発電量の激減は蓄電池の停止とは別に、天候(台風や雨天の多さなど季節要因)が主因である可能性が高いと思う。うちの地域の日照時間までは調べてないけど、少なくとも「蓄電池を止めたから太陽光まで減った」という単純な話ではなさそうだ。
つまり、買電増加分を蓄電池だけのせいにはできない
買電が1日平均で7月の4.5倍に増えたのは事実だけど、その増加分には「蓄電池が止まって夜間・昼間のズレを埋められなくなった影響」と「そもそも太陽光の発電量が天候要因で4割以上少なかった影響」の両方が混ざっていて、9月ここまでのデータだけではこの2つをきれいに切り分けられない。「蓄電池停止のせいで電気代がこれだけ増えた」と断定するのはフェアじゃないので、ここは正直に書いておく。
電池モジュール交換は11月予定なので、それまでにもう一度天気の良い期間があれば、そのタイミングでも数字を確認して比較してみようと思う。




































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