1Gbpsの回線でも、UniFi UCG Maxなら不自由なし
自宅のネット環境はOCN光の1Gbps回線のまま、もう2年近く悩みつつ据え置いてます。10Gbpsのフレッツ光クロスも気になってたんですが、Wi-Fiでも700Mbps出てるし、10ギガにしても実効2ギガくらいしか出ない可能性もあるので、正直今のところ回線を上げる理由がありません。その代わり宅内は2.5ギガ環境を整えたくて、Ubiquiti社のUniFi Cloud Gateway Max(通称UCG Max)を導入しました。結論から言うと、1Gbpsの回線でも「これ以上何を求めるんだ」というレベルで不自由がなくなりました。
なぜUCG Maxを選んだか
UCGにはUltraとMaxがあって、最初はUltraで様子を見ようかと思ってました。ただ追加で2.5Gのハブを買うとMaxとそんなに値段が変わらないのと、決め手になったのはセキュリティ機能(IPS/IDS)を有効にした状態での速度が2.3Gbpsと、スイッチング性能とほぼ変わらなかったことです。しかもこの手のセキュリティ機能って普通サブスクやライセンス料がかかるものですが、UCG Maxはハード代だけで込み。ヤマハにもRTX1300のような10G対応ルーターはありますが、そもそも家庭で使うには完全にスペックオーバーな上に価格も20万円超とかなり高額で、しかもUTM機能は別売りのUTXシリーズとの連携が必要で本体だけでは完結しません。その点UCG Maxは、全ポート2.5G対応・UTM機能込みで購入価格35,900円と、価格も現実的でした(ただしUCG Max自体は有線ルーターで、Wi-Fiは内蔵されていないため、APは別途UniFi U7 Liteを購入して組み合わせています)。これまで使ってたNECやバッファローの家庭用ルーターがおもちゃに見えてくるのが不思議です。
| 項目 | UCG Ultra | UCG Max |
|---|---|---|
| 参考価格(US) | $129 | $199〜 |
| IDS/IPS有効時のスループット | 1Gbps | 2.3Gbps |
| ポート構成 | 1GbE×1 + 2.5GbE×5 | 2.5GbE WAN×1 + 2.5GbE LAN×4 |
| NVMeストレージ(Protect録画用) | 非対応 | 対応 |
価格は2026年7月時点のUS Storeを参照した目安です。日本国内の実売価格とは差があります(うちはMaxを35,900円で購入)。

箱を開けた瞬間、この梱包へのこだわり方がApple製品と似てるなと感じました(見た目の色や素材はAppleの白い箱とは違いますが、作り込みの丁寧さが似てる、という意味です)。実はUbiquitiの創業者ロバート・ペラ氏は、2003〜2005年にApple本社でワイヤレスエンジニアとして働いていた人物です。Wi-Fi機器の出力をFCC上限ギリギリまで上げれば通信範囲を大幅に伸ばせるというアイデアをAppleで提案したものの取り合ってもらえず、退職して起業したのがUbiquitiの始まりなんだとか。梱包のこだわりにもその出自が表れてる気がします。
VLANでのセグメント分離があっさり終わった
UCG MaxでやりたかったことはVLANでセグメントを3つに分けて、そのうち1つだけ共有アクセスできるようにすることでした。デフォルトを192.168.10.0/24、共有を192.168.11.0/24、自分の作業領域を192.168.20.0/24に設定。共有セグメントには他の2つからもアクセスできるようにして、あとはポートにスイッチやAPを繋ぐだけ。ルーティングもDHCPも自動でやってくれて、拍子抜けするくらい簡単に終わりました。
IPoE化でレグザの宅外視聴が壊れた
ちなみに今回のきっかけは「速度」ではありません。NTTのONU一体型ルーターPR-400NEの時点でも下り600Mbps台と十分な速度が出ていて、不満はありませんでした。うちのOCN光は元々PPPoE接続でしたが、ある時気づいたら「OCNバーチャルコネクト」というIPoE方式にファームウェア更新で切り替わっていました。速度面ではIPoEの方が有利なんですが、副作用として東芝レグザのスマホアプリでの「宅外視聴」(外出先から自宅のレコーダーの番組を見る機能)が使えなくなってしまいました。IPoEは固定のグローバルIPv4アドレスが割り当てられず複数ユーザーで共有する仕組み上、外部からの着信(ポート開放・UPnP)がうまくいかないケースが多く、これがまさにそれでした。
UCG MaxでPPPoEを復活させ、デュアルWAN化
そこでUCG Maxの出番です。WAN1はそのままIPoEで高速な通常のインターネット接続に使い、WAN2としてPPPoE接続を復活させてデュアルWAN構成にしました。さらに「ポリシーベースルーティング」機能を使って、レグザやDIGAなど宅外視聴が必要な機器だけをPPPoE側の経路(WAN2)に振り分ける設定にしています。これで普段のインターネット利用は速いIPoEのまま、レグザの宅外視聴に必要な機器だけ専用の経路で外部から着信できるようになりました。
- 通常のデバイス(PC・スマホなど) → IPoE(WAN1、快適な速度)
- レグザ・DIGAなどレコーダー類 → PPPoE(WAN2、固定的なグローバルIPでポート開放が使える)
普通の家庭用ルーターだと、そもそもデュアルWAN自体に対応してないか、対応してても機器単位でここまで細かく経路を振り分けることはまずできません。1Gbpsの回線というスペック自体は変わらないのに、ルーター側の機能でここまで柔軟に困りごとを解決できるのが、UCG Maxのすごいところだと思います。

実際のポリシーベースルーティング設定画面。「Regza-to-pppoe」というルールで、レグザ等の対象機器だけをPPPoE経路に振り分けている。
同じようにIPoE化でレグザやDIGAの宅外視聴が使えなくなって困っている方は、こういう解決策もあるという参考になれば嬉しいです。ちなみにレコーダー本体の延命という意味では、こちらの記事もあわせてどうぞ。
まとめ
回線速度そのものは1Gbpsのままですが、VLANでの安全なセグメント分離、IPS/IDSによるセキュリティ、そしてデュアルWAN+ポリシーベースルーティングでのピンポイントな問題解決まで、UCG Max一台でここまでできてしまうのは正直驚きでした。10Gbps回線に乗り換える前に、まずルーターを見直す価値は十分にあると思います。
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